皆さん初めまして。入社 1 年目、製造部 JPP-Ⅲの江本です。

入社時に研究開発部プロセス開発グループに配属され、GW 明けから製造部 JPP-Ⅲで工場研修がスタートしました。
目的は、工場の設備でどのように製造しているのか、出来る事と出来ない事は何かを知り、商用プロセスを構築できる研究員になることで、女性の私も参加しています。
熱心に教えてくださる方々ばかりで、良い雰囲気の中、研修を受ける事が出来ています。

今月は、原料の仕込み方、反応缶の温度調節の仕方について学びました。
ラボとは異なり、実機製造では原料の仕込み、昇温、冷却などの簡単な操作でも数時間かかります。そのため、使用する化合物の物性によって反応缶や使用する機器が異なります。
例えば、塩化アルミニウムを有機溶媒に仕込む際、投入口を小さくし、少量ずつ投入できるように機械で制御しています。
理由は、仕込み時の発熱が大きく、また、水と容易に反応し分解(塩酸ガス発生)することから、なるべく空気に触れさせない為です。
ラボスケールだとすぐに終わる作業ですが、工業スケールでは時間も労力も桁違いに必要だと実感しました。
ラボでも一気に投入するのではなく、少量ずつ投入してガスの出方や、発熱の様子について注意しながら実験を進める必要があることを学びました。

さらに工場では、安全衛生にも注意が必要です。誰もが一度は経験したことがある静電気も、実機では爆発につながる危険があります。
窒素雰囲気下にして酸素濃度を低くする、アースを接地する、帯電防止の道具を使うなど、事故を未然に防ぐ工夫をしています。
工場研修をするまでは静電気を気にして実験をすることはありませんでしたが、ここまで注意しないと工場での生産はできないと知り、とても驚きました。
商用プロセスを組む際には、液体の導電性や引火性、結晶の帯電性について確認し、工業スケールに耐え得るかを考えていきたいと思います。

工場研修は始まったばかりで知らないことが多くありますが、実機での製造を考慮して、安定的なプロセスを作れるように、現場でどのような作業が行われているか、そして、ラボでどのような実験を行えば繋がるのかを学んでいきたいと思います。

話は変わりますが、GW 中に雨晴海岸に行ってきました。

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天気に恵まれて眺めも良く、おまけにヤドカリや小さなカニを見ることもできました。休日に気分転換ができると仕事も頑張れます。

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今後も充実した毎日を送りたいと思います。